2010/09/11

【Palestina】サラ・ロイさん

 毎日新聞のエルサレム特派員でアラビア語の勉強仲間が、facebookで紹介されていた「ホロコーストからガザ」へという本を読んでみました。ガザの研究家のサラ・ロイさんの来日公演を中心にガザについてまとめられたものですが、サラさんのご両親がホロコーストからのサバイバーであることから、現在のガザとホロコーストを思考する本となっています。特に印象に残ったのは3点。

 ひとつは、ロイさんがガザでロバをひくパレスチナ人の老人に、その孫のいる前でイスラエル兵士がロバの尻にキスをするように要求し、その光景におし黙り、立ちすくてしまったこと。両親のホロコーストの逸話の数々が思い出されたそうですが、私は2008年にフランクフルトのゲットー記念館に訪れた際に、「猪の尿を飲むユダヤ人の絵」があったことを思い出しました。

 2つめは、イスラエルに住むイスラエル人がガザのことを「知ろうとしない」という事実。情報はいくらでもあるのに。

 3つめは、徐京植さんという在日韓国人の方との対談。日本に住む韓国人、在日の方の歴史とガザ、ホロコーストへの投影。イスラエルの人にとり、「ガザとホロコーストは違う」。日本人にとり、「ガザと在日の方の歴史は違う」と感じるが、結局は「ホロコーストもガザも在日も同じことでは?」と本書は問題提起をしてくれます。

 根本的な問題は「アメリカのユダヤロビー、イスラエルの正統派ユダヤ教徒の政治への影響力の問題」か「正統派ユダヤ教徒の徹底した忠誠の問題」か、「東エルサレムの帰属の問題」か、「人が個人でなく、集団になったときに持つ意思の問題」か、「代替案の問題」か、「インフラの問題」か、「経済の問題」か、これからも思索を続けたいと思います。
               

1 件のコメント:

  1. ご指摘の通り、さまざまな切り口を紹介してくれる好著だと思います。今後とも、本など情報交換をよろしくお願いします。Hana

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