2011/11/29

【Japan】串本のエルトゥールル号事件とトルコ

 11/25、26と和歌山県の串本に行きました。現在のトルコは中東地区におけるリーダー的存在になりつつあり、オスマン帝国時代の再来のような勢いがあります。これはガザ支援船をイスラエルが強襲したり、ダボス会議でトルコのエルドアン首相がペレス大統領と堂々と渡り会ったことがきっかけになりました。

 「世界一の親日国」と言われるトルコが親日になった理由のひとつに、和歌山県串本におけるエルトゥールル号事件があります。それがイラン・イラク戦争時のテヘランからのトルコ航空による日本人救出につながったということも日本ではほんとんど知られていません。

 串本は羽田から南紀白浜空港までは飛行機、その後はレンタカーで1時間ぐらい海岸沿いを走るのが便利なコースです。


 太陽の光が暖かく、穏やかな夫婦波。紀伊半島は沖には黒潮が流れ、関東に向かう多くのタンカーが航行します。


 途中、串本海中公園に立ち寄り、水槽を覗き込むとフエフキダイが泳いでいました。沖縄ではこれをマース煮にして食べる高級魚です。


 ウミガメの水槽の出口にウミガメを触ってもらうように飼育員の方がいました。アカウミガメを手の平に乗せましたが、親切に説明をしていただき、ホスピタリティーに溢れています。


 ここには海中展望塔もあり、水中の様子を眺めれるのですが、紅海のエイラットに行ったときに同じような海中展望塔で、沖縄やグアムなどと種類の違う紅海のサンゴを見て驚いたことを思い出しました。


 海中展望塔の周りのグレ(メジナ)。餌付けされており通常岩場にいるグレが群れていました。ここでも入館の受付の人が丁寧に海中展望塔の近くに3年前ウミガメが来たとか、今年は沖のダイビングスポットでジンベイザメが出たとか、親切です。


 本州最南端の潮岬です。潮岬灯台は日本の灯台の父、英国技師のブラントンさんがフランスのヴェルニーさんの指導で設計したものとありました。ヴェルニーさん(ヴェルニー記念館と柴漁港)といえば小栗上野介が横須賀製鉄所設計のため日本に招いた人です。

質素なトルコ記念館の建物。

日本とトルコ友好のシンボル。


 その日に宿ヒル・トップ和田金の石焼き。豪快な漁師料理で量が多く食べきれません。豪華なホテルではありませんが、温泉は家族風呂でゆっくりと落ち着いて過ごせる小さな宿です。


 串本はペリーが浦賀に来航する62年前に米国のディ・ワシントン号が来航したらしく日米修好記念館があります。この写真は屋上からの夕日。

 トルコ記念館に売っていた「トルコ 世界一の親日国」(森永尭 著)より、
『串本町は、本州最南端に位置する、奇岩の多い極めて美しい海岸の町である。有名な民謡串本節「ここは串本、向かいは大島」で謡われる、優しい人々が住む町なのだ。トルコに関心のある日本人は、先ずこの地を訪れるようお勧めする次第である。』

2011/10/27

【Japan】下野昌平さんの広尾ア・ニュ

 10/26日はワイフの誕生日なので、広尾のア・ニュというフレンチレストラン に行きました。ここの下野シェフはワイフのフレンチの師匠で、おいしいと評判のシェフです。後で経歴を知りましたが、西麻布三丁目のル・ブルギニオン(久しぶりのフレンチ ル・ブルギニオン)にも勤めていたようです。西麻布、広尾近辺は知人のシェフの知人は知人、というように狭いですね。

 フレンチのレストランはとにかくワインが高くつくので、なかなか行く機会がありません。どうせ行くならおいしい店をと思いますが、ここはワイフお勧めということで、味は安心、価格は不安という感じの店でした。

 メニューは下野シェフに適当に好きなものをお話しし、ひらめきで料理してくれと頼みました。             

アヴァン・アミューズ

洋ナシのシャンパーニュ・カクテル

鶉の温泉卵とじゃがいものアミューズ、これは傑作です。


 ボランジェ R.D 1997 ピノノワール65%とシャルドネ35%、ボランジェの超プレステージ・シャンパーニュ。 アドヴォケイト誌/Antonio Galloni氏評価(2008.12):95点 今頃から2015年頃までが飲み頃らしい。

何だか忘れましたが、中にキャビアがたっぷり絡まった味。

アワビが中に隠されている。

サワラ生の表面を少し焼いてある。タピオカも転がっている・・

マッタケのフリット。
タルタルソースはマツタケの香りを消すので不要。


 フォアグラ&トリュフ乗せキノコのリゾット フォアグラの上のカツオ節状のトリュフと泡に包まれているベーコンの香り。キノコ(マッシュルーム)のソースの旨みに絡む噛み応えのあるスペルト小麦。それぞれが自己主張の強い素材だけど決してケンカはせず美味しい。
             

 シャンボール・ミュジニー 1erCru LES CHARMES1994 ドメーヌ・デ・シェゾー(ポンソ) エレガントで果実味が溢れんばかり。

 
ジビエのキジと栗のヴルーテ。


 アマダイのキノコスープ仕立て アマダイの皮がパリッパリなのに身はしっとり。キノコのスープは薄味でお出汁の香りぷんぷん。なのにアマダイの身の甘さを決して壊さない。アマダイは鱗がおいしい。

 

 本日のジビエ、はじめて食べるライチョウ 肉とそれに包まれたレバーはクセのある味と香り。付け合わせの白菜が旨い。

 

 フロマージュ 愛宕のフェルミエさんから仕入れたチーズ。最近は仕入れ先がフェルミエかどうか分かるようになった(笑)


 甘さ控えめ梨のシャーベットと、これは何だか忘れましたが、もうお腹が一杯。

 
山になってないモンブラン。
ル・ブルギニオンに似ている。

誕生日用フルーツ盛り合わせ。

 一皿一皿が素材を活かした料理でおいしい。
 それにしても料理は難しいと思います。一杯の味噌汁でも最初の一口より、飲み終わった後で振り返る印象がおいしさを決めます。

 今回の料理コースは下野シェフのひらめきで作られていますが、音楽でいうLPアルバム(古い)のように、表面のはじめから裏面の最後までのバランスはあまり意識されていないかも知れません。

 これが全体を通して意外性を織り交ぜたひとつの主張に貫かれたらすごいコース料理になるのでしょうね。ル・ブルギニオンもどちらかというとアラカルトが得意なので、そういう意味では共通しています。

 それにしてもこういう料理は年に何回も食べれないので、次は来年か(笑)

 ワインはもちろん、こういうコクのあるシャンパーニュもはじめてなので、おいしくいただきました。                                        

2011/10/05

【Japan】尾瀬の草紅葉と「ふきあげ」の秋の味覚


  10/1、2は尾尾瀬ヶ原の草もみじを観賞に尾瀬に行って来ました。朝5時に自宅を出て鳩待峠を9時に出発。尾瀬は2008年に尾瀬ヶ原と尾瀬沼(5月でも雪があり、アイゼンが必要な三平峠)、2010年に至仏山(至仏山と萩原朔太郎)と3回目の訪問です。
 写真は至仏山を尾瀬ヶ原から眺めたものですが、紅葉が始まっており、あと1週間もすれば尾瀬ヶ原の周辺の山々は紅葉真っ盛りでしょう。


 今回は東電小屋までの往復コースで、至仏山の反対側の福島県側には燧ヶ岳(ひうちがたけ)がそびえます。


 東電小屋が見えてきたあたりにツキノワグマが多いのか、歩道に探知カメラが仕掛けてありました。


 2時間半で東電小屋に到着し、カレーライスとおやき、少し寒かったですが、生ビールもいただきました。


 尾瀬ヶ原を帰る途中に群馬県警のヘリコプター「はるな」が救助活動をはじめました。どうやら女性が足を骨折したらしい。歩道を踏み外したのでしょうか。坂道ではありませんが、一歩間違うとこういうこともあります。ちなみに今回は鳩待峠から尾瀬ヶ原に抜けるくだりの濡れた木道で、2回も足を滑らせて右手を強打しました。金曜日の夜にトラブル対応で帰宅が遅く、睡眠をたっぷりとれなかったからかも知れません。


 午後3時には鳩待峠に着き、いつもの炉端で岩魚の塩焼きと熱燗とおしんこで一杯。肌寒いので、心地よい疲れに日本酒が五臓六腑に染み渡ります。


 朝取れたトウモロコシを薦められたので醤油を付けてもらいましたが、醤油からい群馬の味。いつもの宿屋の「ふきあげ」で温泉と山菜の夕食を堪能しました。翌朝は野菜本来の味がする尾瀬の野菜を朝市に立ち寄り、キュウリ、ナス、トマト、白菜、キャベツ、トウモロコシなど購入。


 キノコ専門の朝市があったので、天然の舞茸(写真ピンボケ)を2,000で買い、自然薯も1,000円で買いました。この季節は山の野趣溢れる味覚が楽しめます。


 ついでに、思いつきで富岡の群馬サファリパークへ。巨大なツキノワグマ、はじめて見たオオカミ、立ってばかりで疲れたのか、お休みしているミーアキャット(笑)、そして生肉を食べるライオンを真近で見学(写真をClickし目を見てやってください)。


 夕食は尾瀬の野菜と舞茸ご飯に、おじさんに教えてもらったレシピで、自然薯の髭を焼き、すり鉢ですり、ひと口大にちぎりワサビ醤油でいただきましたが、酒のつまみに最高です。

 次回、尾瀬に行くことがあったら、朝はゆっくり出発し、温泉のある元湯山荘で一泊し、尾瀬沼、三平峠を抜け、大清水というコースが良いのではないかと思っています。
             

2011/09/14

【Japan】焼岳のモルゲンロードと霧の大正池


 毎年、夏の終わり秋にかけてトレッキング(登山)をします。昨年は9/30日に至仏山(至仏山と萩原朔太郎)に、今年は焼岳を選びました。焼岳は松本から上高地までバスで移動し、そこから登頂しますので、東京からは前泊し早朝出発でないと難しい山です。9/9日に会社を休み「中の湯温泉」まで移動し翌日に備えました。焼岳は中の湯温泉の裏山が登山口のひとつで、そこから登頂し上高地に出るというコースを選びました。ガイドブックでは5時間45分のコース。
早朝7時に出発。雑木林を抜けて森林限界まで登ると焼岳が眺めれます。写真左が南峰(2,444m)、右が北峰(2,393m)で、紅葉もチラホラ。


 焼岳は活火山で北峰が登頂できる山頂ですが、頂上に上る手前に噴火口があります。ここまでたどり着くのも大変でしたが、まだ先があると考えると頂上への登頂に躊躇してしまいます。


 噴火口付近で一休みし、一気に頂上に上りますが、写真のように大渋滞。ツアーで山登りを行う団塊世代の団体です。山道は細いので団体の人が通り過ぎるまで待つしかありません。


 北峰の頂上は360°の展望で最高です。写真は中央は穂高連峰、右は梓川、上高地です。こういうときにパノラマカメラで撮影すると全景が一望できるのでしょうね。


 頂上付近には硫黄の吹き出るところがあり、蒸気を出しています。この横をすり抜けて登り降りするのですが、片方が断崖絶壁なので、かなり慎重にゆっくり歩かないと怖いところです。


 下山途中に見つけた倒れた看板ですが、下山も勾配が厳しく、恐る恐る歩いて行きます。上高地から登り、「中の湯温泉」に出る逆のコースを歩む人もいるようですが、かなり勾配の厳しいコースです。


 焼岳小屋で「中の湯温泉」で作ってもらった昼食を食べ、最後の下山ルートに移りますが、写真のようなハシゴ場がいくつかありました。これは10mのハシゴ場です。焼岳小屋に食料や飲料水を運ぶポーターの人にすれ違いましたが、大変な仕事です。


 8時間45分かかり上高地の登山口に到着。そこから「上高地温泉ホテル」まで歩きます。途中振り向くと焼岳が写真のように映っており、ワイフとスイスのルツェルンのピラトゥス山(ロンドン、ルツェルン、メンヒヒュッテ、アイガートレイル)に似ている、と話しながら、フラフラとホテルの玄関に到着。

 このホテルは上高地で唯一の温泉の源泉のあるホテルなので、さっそくストレッチを行い温泉に直行しましたが、予定より3時間オーバー(5時間45分が8時間45分)で、足がガクガクです。標高差をもう少し意識して計画を立てないといけないと反省。


 朝焼けの焼岳ですが、モルゲンロートは美しい。【モルゲンロート】Morgenrot{G}朝焼け。朝日をうけて赤く染まること。高山でみる朝焼け。Morgen[朝]。


 ホテルのイベントで早朝6時からの散歩があり参加してみましたが、田代池までのコースだったので、二人で途中で抜けて大正池まで歩きました。焼岳の噴火で大正4年に梓川が堰き止められてできた大正池。幻想的な朝の風景です。


さて、朝食を済ませ河童橋へ。
 これは河童橋からの焼岳。


 河童橋からの奥穂高。ちなみに穂高岳山荘ではマイナス5°で初氷を観測したそうです。秋がすぐそこまで来ています。

2011/08/02

【Japan】石垣島のマグロ、西表島のカヌー、沖縄本島でステーキ


 7/27-7/31まで夏休みで石垣島に行って来ました。今年は日本国内でダイビングをするつもりだったので、最初はトルコと縁の深い和歌山県の串本でダイビングショップを探していましたが、安心そうなショップにメールをしても返事がなく、結局、馴れた石垣島ダイビングとなりました。石垣島の川平湾で体験ダイビングを行ってダイビングに興味を持ち、PADIのアドバンスドを取ったのも石垣島です。石垣島の酸素は10Lに220kg/c㎡程度入れてあり、1回のダイビング時間が40分から50分程度は潜れます(グアムやハワイ島でも同じくらいの酸素がボンベに入っています。ところが、沖縄本島や伊豆半島では10Lで180kg/c㎡程度が標準。30分も潜るとダイビング終了となってしまいます。沖縄本島は慶良間諸島など変化があり楽しいのですが、酸素ボンベの酸素の量が、回転率重視からか少ないのです)。

 いつも石垣島でお世話になっているダイビングショップは「ライオンフィッシュ」というところですが、家族経営で親切で安心できます。今回は2年ぶりのダイビングでしたので、馴れるまでワイフと私の二人に1名のインストラクターがついてくれました。ダイビングは午前に2回、午後1回ぐらいのペースなので、昼のランチは船上で食べます。サンドウィッチのような軽食を出すところが多いのですが、ここはおにぎりにおかずと汁物と普通の日本食を出してくれます。これもありがたい。


 7/28、29日はダイビングで石垣港から出発。港で尖閣諸島で中国漁船に衝突された海上保安庁の船を発見。


 今回のダイビングではじめてライオンフィッシュ(動画)を海底で発見。かなり老いていますが、もののけ姫に出てきた「もののけ」のような模様で迫力があります(こちらを向いていないのが残念)。

 ダイビング2日目にマンタスポットに潜り3枚のマンタを見ました。マンタはハワイ島で夜30匹ぐらいが餌を捕食する様子(ハワイ島のマンタと満天の星空)を見たことがあるため、それほど感動はありませんでしたが、悠々と泳ぐ姿は宇宙船のようです。

 さて、石垣島にはもうひとつの楽しみがあります。
 それはマグロです。5月から7月は本マグロ(黒マグロ)の小さいもの、夏場はキハダマグロ、秋からビンナガマグロと、おいしいマグロが食べれます。小型の近海ものなので、中トロとか大トロでなく、赤身のマグロの身がプリプリでおいしいのです。まるで取れたての鯛のような食感で、朝とれたマグロを刺身にしないと味わえないおいしさです。
2年前に石垣島のマグロを食べてからもう他の赤身は食べれなくなるぐらい記憶に残るものでした。


 今回も到着日27日にタクシーでマグロのおいしい店を紹介してもらい、そのうちの1件「海人居酒屋 源」を訪問。さっそくマグロとこの店のお勧めのカツオを注文しましたが、マグロは今ひとつ、しかしカツオが信じられないぐらいおいしいのです。これも朝とれたものだと思いますが、プリプリのカツオの刺身は最高だったので、写真を撮り忘れてしまいました。この店にはカツオの心臓の刺し(写真)があるというので注文。このコリコリ感とさわやかな味も驚きです。


 また、近海魚のヒメフエダイ(地元ではミミジャー)のマース煮を注文。塩だけで魚を煮る習慣は沖縄地方にしかないと思いますが、マース煮は魚本来の味を引きだし、やさしい煮つけで
す。

 28日はダイビング初日で、お腹ペコペコで「居酒屋 ゆんた」へ。ここのマグロはおいしい。厨房に何マグロが聞いたら「トンボ」(ビンナガマグロ)と言われましたが、夏の季節はキハダではないかと。それにしてもプリプリです。


 そして、29日は石垣島で一番有名なマグロ専門店の「ひとし」を訪問(要予約)。マグロとウニのプレートを注文。ゆんたのマグロほどではないが、プリプリ感がたまらない。


 ここではマース煮でなく近海魚(ヒメフエダイ)の煮魚を注文。このまろやかな甘さは泡盛と黒糖から来るのか、東京で出したらすぐに売り切れでしょう。

 27、28、29日とマグロを求めて街を彷徨いましたが、石垣島の本マグロの旬は5月、6月頃なので、次回の石垣島ダイビングはその頃に計画したいものです。


 30日は石垣島から西表島に船で移動し、カヌーを経験しました。長良川下流や石垣島でもカヌーを経験したことがありますが、今回はカヌーで川を上り、途中から川を登り滝止めで昼食をとるアドベンチャーコースです。往復12㎞のコースなので体力を使います(西表島の住民の90%が移民。現地の人でなく、他の地域から移住した人らしいのですが、産業のない島ではダイビングやカヌーアドベンチャーなどの観光業が盛んです)。


 31日は沖縄本島に移動し、美ら海水族館を見学しました。ジンベイサメはでかいでかい。これをダイビングで見たら最高でしょうね。


 最後の夜はステーキハウス88の輸入牛の赤身ステーキ300gをいただきました。霜降り肉は苦手ですが、赤身なら400gでも食べれたかも知れません。

 ダイビング、カヌー、マグロ、赤身のステーキと充実した5日間でしたが、台風もすれ違いで助かりました。