2013/09/30

【Japan】乳頭山と秋田料理と道川ロケット実験場


 昨年の青森の八甲田山(八甲田山と奥入瀬渓流)に続き今年のトレッキングも秋の東北の山を計画しました。
 当初は秋田の独立峰 鳥海山を計画して調べてみたのですが、山小屋泊の1泊2日コースでないと無理があり、今年は秋田県と岩手県をまたぐ乳頭山を選びました。
 秋田空港から角館の武家屋敷に立ち寄り、田沢湖の辰子像湖畔に到着。湖畔の神社で売っている餌を投げこむと大量のウグイが集まってきます。子供の頃、長良川でウグイの産卵に遭遇したときのような光景です。
(産卵時のウグイはオレンジ色)


 乳頭山麓の乳頭温泉郷に向かう前に、秋田駒ヶ岳の8合目まで自動車で目指してみました。8合目近くの道路でツキノワグマの子供にばったり出会いました。コロコロに太った子熊で身体のバランスが愛くるしく、フロントガラス越しに一瞬見つめ合いましたが、子熊は危険を察知し笹の群生の中に走って逃げだしました。ちょっと分かりにくいですが、写真真ん中の黒い点がツキノワグマです。近くに親熊がいると思うので8合目の売店のおばさんに報告したら、今年の春に生まれたヤツではないかとのこと。道路を挟んで親子が離れ離れにならないことを祈っています。



 明日の登頂に備えて7つある乳頭温泉郷のうち「鶴の湯」と初日の宿「休暇村乳頭温泉郷」の2つに入りました。青森の八甲田山の千人風呂も混浴ですが、東北はおおらかなのでしょうか、男湯の露天風呂は混浴が普通で、「鶴の湯」も露天風呂は混浴です。


 翌朝は8時頃から歩き始め森林限界を超えるとそこは紅葉です。
 乳房のような形をした乳頭山はゆるやかな山に見えますが、登りは結構ハードでした。


 頂上から秋田駒ヶ岳を眺めながら宿屋で作ってもらったおにぎりをいただきます。秋風が心地よくおにぎりがうまい!
 この段階で頭の中は下山後の温泉にすっかり変わり、午後2時までに下山できたら「妙乃湯」に入ることになりました。乳頭温泉郷は7つの温泉の湯がそれぞれ違い、それぞれの湯を日帰り入浴で楽しむツアーバスもあります。ちなみに、「妙乃湯」も川沿いの露天は混浴です。


 妙乃湯で6時間のトレッキングで疲れた足腰のストレッチを行い、「蟹場温泉」にハシゴ湯をしました。「蟹場温泉」の露天も混浴で、隣に流れるせせらぎには沢蟹がいることからこの名が付けられたそうです。
その日は山の疲れと温泉に満足してぐっすり眠り、翌日は鳥海山の5合目まで車で登ることにしました。




 鳥海山は日本海に裾が広がる大きな山で、秋田県と山形県の県境にあり、秋田県の県民のシンボル的な存在です。また、展望台からの眺望は日本海が広がり、その先は北朝鮮。。

秋田は山、日本海、温泉、おいしい料理と酒のツマミの宝庫、
今回の旅でいただいた秋田の郷土料理を紹介します。

セリがおいしいキリタンポ鍋

比内地鶏の食感がたまらない親子丼と喉越しの稲庭うどん
(稲庭うどんの老舗 佐藤養助商店は銀座にも直営店あり)

シューシーな比内地鶏の串焼き(塩)

皮がカリカリの比内地鶏のから揚げ

白みそでさっぱりしたおろしにんにく入り比内地鶏のモツ煮

風来坊風比内地鶏の手羽先揚げ

しっとりとしたハタハタ焼き

日本酒にぴったりのハタハタ麹漬け

 今回の旅ですっかり秋田のファンになってしまいました。

 秋田空港から羽田の便が午後8時半発のため、鳥海山から空港近くの道川に立ち寄りました。道川は鹿児島の内之浦宇宙観測所(内之浦宇宙空間観測所と知覧)ができる前までペンシル、ラムダ、カッパーなどが打ち上げられたロケット実験場です。

JR道川駅から歩いても5分ぐらいの場所

夏草が茂る「日本ロケット発祥記念の碑」

ロケットが蛇のように這いずりまわった砂浜

日本海に沈む夕日

 ロケットは高度300㎞~350㎞を超えると放物線を描き北朝鮮に届いてしまうことから、最終的には地球の自転方向への発射場である鹿児島に移転しましたが、実験班の人たちはきっと秋田のお酒と郷土料理が名残惜しかったことでしょうね。