2013/10/27

【Japan】西麻布2丁目の穴場「き久ち」


 10月26日はワイフの誕生日。去年は広尾のひらまつ(ひらまつ広尾の鴨フォアグラのキャベツ包み)でフレンチだったので、今年もワイン持ち込み可のフレンチレストランにしようと、西麻布4丁目のあるフレンチに連絡したら、店のコンセプトが変わったとのこと。つまり、以前のフレンチレストランは閉店し新しい店名になっていました。

 西麻布は交差点を中心に、1丁目は六本木的な派手な店、4丁目は入れ替わりに激しいビストロ通り沿いの店、3丁目は住宅街にある店、2丁目は穴蔵のような店で、今回予約しようとした店は4丁目のお店でした。一度、ランチで食べて美味しかった店ですが、どうも最近金曜日になるとワイン飲み放題で幾らとかいうキャンペーンなどはじめていたので経営が苦しかったのでしょうか。
 
 そこでフレンチから和食にしようということになり、西麻布(広尾)の分けとく山を考えてみました。野崎洋光さんのお店です。この店がおいしいのは分かっているので、リスクをとり新しい店を開拓しようと、思いついたのは、以下のお店です。

「西麻布2丁目のクリーニング屋の2階のき久ち

 たまに歩く朝のウォーキングコースにこの店が開店したときに、よくこんな分かりにくいところに店を出したと感心したぐらいの場所の悪さです。ある時雑誌で実家のクリーニング店の2階で開店した人の記事を読んで、実家だったんだと納得。
 調べてみたら分けとく山と同じくミシュラン2つ星の店とのことでびっくりです。ミシュランの評価が正しいかどうかは別にして、2つ星を超えるとやはり他の店とは違います。

 さっそくワイフの誕生日ということで予約をしたら特別に鯛の兜を付けていただけるとのこと。10月26日は午前中は台風だったので、お店も暇かなとか、築地市場に魚は来てるかなとか、いろいろ考えて店につきました。店の入り口にはメニュー(上の画像)が飾ってありますが、この2つのコースしかありません。

 店はカウンターが6名、テーブル席が2組(1組は食器がおいてあり使用不可)のこじんまりした店内ですが、オーナーがひとりで作り一人で運ぶお店なのです。しかし、ちゃんとした和食で、器は料理に合わせて氷水で冷やしたり、蒸して温めてから料理を載せます。
 台風の影響も全然関係なくあっという間に満席。


 まずは自宅のワインセラーから持ち込んだシャンパンで乾杯。 2006年フランスのモエ・エ・シャンドンで購入したもの、ヴィンテージ1999 久々に厚みのある美味しいシャンパーニュ。


 最初の料理はこの3品。三つ葉と蟹のお浸し・鱧のから揚げとぎんなん・あん肝の海苔のせ お浸しはいうまでもなく蟹の優しい味わいで満足。鱧のから揚げはサクサク、肝の上の海苔に驚いたが、意外に合う。


 もずくのお吸い物 だしの風味が突出せず、もずくの味を引き出してます。


 朝獲れ鯛の刺身。ぷりぷりの歯ごたえに洗練された上品な旨み。普段渋谷市場で購入するもので十分なんて思っていたが、この違いは一体???


 まながつおの照り焼きと黄色いサツマイモ。両方とも甘さ控えめ。マナガツオは身が引き締まり旨みもたっぷり。


 鯛の兜蒸し。塩と酒のみ。なんて旨いんだ!!!ポン酢で頂きますが、そのポン酢も飲み干したいくらい。そう告げると、帰りにポン酢を小瓶に入れてお土産として持たせてくれました。

 

 〆の土鍋で炊かれたウマウマご飯。炊き加減とお米が好みにぴったりはまりました。ぬか漬けのナス、最高!

 季節ごとに足を運びたいお店のひとつになりました。