2014/01/13

【Coffee Break】日本版システム工学とは何か

 前回のblogから「日本版システム工学」とは何か、という質問をいただきましたので、このblogで番外編としてまとめておきます。

  システム工学は電気、電子、建築、土木、機械、情報、環境などの違う工学を束ねる「工学のための工学」と呼ばれるもので、大規模で複雑で多くの専門家を必要としたアポロ計画などがシステム工学で為されたことで有名になった方法。オペレーションリサーチ(OR)などもその一種。

 科学とエンジニアリング(工学)などの多くの専門家を必要とする日本のロケット研究でもシステム工学は採用されましたが、創造性が発揮できる組織そのものをどう作るかも対象にしたため、創造性組織工学と名付けられました。
 創始者は糸川英夫さんで、東京大学を退官後の1967年に組織工学研究所というシンクタンクを設立し、その体系をまとめ上げました。

 1968年に創造性組織工学研究会セミナーが開催され、その内容はテープに記録されていたため、それをどなたかがインターネットにUpされ、今でも直接聞くことができます。
(厳密には著作権の保護期間は死後50年らしい)


1968​.​06​.​26 第1回 創造性組織工学研究会セミナー(84分)

http://hideoitokawa.bandcamp.com/album/19680626-1

1968​.​06​.​26 第2回 創造性組織工学研究会セミナー(93分)

1968​.​06​.​26 第3回 創造性組織工学研究会セミナー(46分)

 テープには、このセミナーに参加していた経営学者で、日本にP.F.ドラッカーをビルトインした野田一夫さん(当時、立教大学教授)の名前もたびたび出てきます。
 ちなみに、野田一夫さんは2年後の1970年に自らのシンクタンクである一般財団法人 日本総合研究所(http://www.jri.or.jp/)を設立されています。 

 山口県の東亜大学などで「組織工学科」という学科も作られていましたが、1999年に創始者が亡くなられてからシステム工学科に改名されています。このように創造性組織工学という名称が一般的でないため、従来のアメリカで発案されたシステム工学に、日本のオリジナルなペアシステムなどの方法論が追加されている創造性組織工学を、ここでは「日本版システム工学」と呼んでいます。

 日本版システム工学(創造性組織工学)の集大成は1993年に書籍になり、

創造性組織工学講座」(プレジデント社)

として発売されています。
(ちなみに、205ページの「オルターナティブを発見するチャート」は、私が描いたものです)

 日本にシンクタンクが生まれた創生の頃、40年以上前の話ですが、現在でもその体系はいろいろな分野に応用し活用できる不易な管理技術です。


2 件のコメント:

  1. 「創造性組織工学講座」(プレジデント社)、205ページの「オルターナティブを発見するチャート」を見ましたよ

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  2. ありがとうございます。Abstractしていますが。。

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