その後、両国国技館でダライ・ラマ14世の法話を聞いてきました。夏休みのアイガー北壁(ロンドン、ルツェルン、メンヒヒュッテ、アイガートレイル)からハラーさんを知り、そしてハラーさんが若きダライ・ラマ14世の家庭教師だったことを知り、ダライ・ラマ14世の法話を聞くことになったのです。チベット問題などの話は一切なく純粋に仏教の話。
「空を正しく知ることは自我を捨てることになる」
「仏教はユダヤ・イスラム・キリスト教のような絶対神の概念はない」
などなど、たくさんの仏教の法話でした。
ダライ・ラマ14世が「般若心経」を最初に唱えてください、と言われると、韓国からの団体での参加者も日本人も同じように唱えていました。600巻もある「大般若波羅蜜多経」を276文字に圧縮し、分かりやすくした経典だけあり、人種を超えた連帯感が生まれます。
日本では浄土真宗と日蓮宗を除く宗派は教義の基礎と位置づけているようです。蕎麦の更科もそうですが、日本の仏教の宗派もいろいろですね。
- 転生者の発見方法
- ダライ・ラマとパンチェン・ラマ
なども興味がありますが、たまには仏教のことを本格的にじっくり聞くのもいいものだと思いました。特に「空を正しく知ること」が仏教理解の正門であることと、ダライ・ラマ法王が講演後にひとりひとりの質問にちゃんと答えていたことが強く印象に残っています。
※ダライ・ラマ14世の語るダライ・ラマ制度の未来
『チベット仏教文化の伝統に従えば、ダライ・ラマや高僧の転生者探しは、宗教関係の行事であり、政治とは何の関係もない。特に仏教の教えを否定している者にとっては、転生者探しに何の関係もなければ、それについて議論する権利もない。転生者探しは、職員や委員を選出したりすることと異なる。高僧の化身は、常に全ての生きとし生けるもののためになるように考えて生まれくるので、生まれる場所、父母と家系などが重要となる。これはチベット仏教文化の特徴である。
もし、チベットの人々がダライ・ラマの転生者が必要であるなら、私の転生者は、中国支配下のチベット国内ではなく、平和な世界のどこかの国に生まれると断言する。それは、前生がやり残した仕事を引継ぎ成就するために転生者は生まれ変わるとチベット人が信じているからである。前生がやり残した仕事を邪魔したり破壊したりするために生まれ変わる転生者はいない。もし、転生者がやり残した仕事を継承できない国に生まれたら、転生者として生まれ変わる意味がない。つまり、私の転生者を必要とするかどうかを最終判断する権利は、チベット国民にある』
※ヒマラヤを越える子供たち Escape over the Himalayas
Maria Blumencron/監督 チベットサポートグループKIKU/販売
中国支配の続くチベットを逃れてネパールに亡命するチベット人は今も毎年1000人以上にのぼる。両親と離れ、冬のヒマラヤを歩いて超えるチベット人の子どもたちの逃避行に同行したドキュメンタリー。
このDVDは契約しているレンタルサイトにはなく、購入しました。