(場所は分かりにくい住宅街の中、鏡の看板)
サイトで価格など確認すると、とてもリーズナブルでシェフの川手寛康さんは、白金台のカンテサンス(白金時代のカンテサンス)、西麻布のル・ブルギニオン(久しぶりのフレンチ ル・ブルギニオン)の元シェフということで味も心配なさそうだと、6月初旬の結婚記念日に合わせ5月24日に予約したら、ほぼ2か月先までいっぱい。予約可能な2か月以内ギリギリの昨日(7月22日)訪問することができました。
料理はお任せコース、さらにワインもソムリエが料理に合わせるお任せコースを選びました。
まずは、乾杯のシャンパーニュ!Laherte Freres ラエルト・フレール。
久々のシャンパーニュなので余計に美味しく感じたのかもしれないけど、バランスの良いなかなかのものでした。ネットで検索すると、今注目のメゾンだそうです。お安いしお買い得。ショップで探してみよう。
アミューズブーシュは、えんどうまめのフリット。中にはミルキーな風味のマッシュされたマメが入っていました。周りのエンドウマメは火が通っていないので、食べれません。飾りです。
2つ目のアミューズブーシュは、四角いオリーブオイルという名前だったような・・・甘くないフレンチトーストをオリーブオイルで焼き上げたようなかわいいおまけ。
パンは、食べるとどんどん種類の違うものが追加されます。つい食べ過ぎてしまう・・・これも変わった形で面白いですね。
季節の前菜は、牡蠣。手前のサラダにはマヨネーズ風のドレッシングが液体窒素で固められていて、崩して一緒に食べます。その隣には、牡蠣を野菜で囲み焼いたものと液体窒素で固めたレモン汁。見た目と触感の面白さを狙っているのでしょうね。しかしお味は・・・何とも表現し難い。
奥には、牡蠣の殻に牡蠣とミルク風味の泡の暖かいスープが入っています。一皿で熱い&冷たいのコントラストを楽しんで欲しいとのこと。
白ワイン。ローヌ地方のDomaine
Georges Vernay ドメーヌ・ジョルジュ・ヴェルネで100%ヴィオニエ。牡蠣と合わせると苦味が強調される気がしました。
フォアグラの前菜。フォアグラはとろけるような焼き加減。そして横に2つ添えてあるソフトクリームのようなものがへーゼルナッツのクリームをサクサクのメレンゲにしたもの。フォアグラを口にしたら、すかさずメレンゲを手にとってサクッと食べて欲しいとのこと。この一皿でトロトロとサクサクの食感のコントラスト。先程の熱い冷たいというものとのコラボ。遊び感覚が多いのは結構だけど、味わいは?となると微妙。フォアグラは本当にトロトロで美味しかったです。単品で充分だったかも。
フォアグラに合わせたのが、ギリシャ産の甘口酒精強化ワイン。酸味がもう少しあるととても良いですね。ギリシャ産は初めて。
魚料理は、マナカツオとイカスミ・ライムソース添え。イカスミの中の枝豆とイカの角切りとの食感と魚のソフトな焼き加減を口の中で会わせるとボリューミーで濃厚ですが、奥にある透明のライムに付けて口に含むと、とても爽快な味わいに変化します。ライムの存在がとても良かったです。
魚料理にはブルゴーニュのムルソー。最初は硬くて香りも少なかったけど、時間がたつにつれて深みが増してきました。
肉料理。鳩のモモ焼きとごぼう。コロコロとしている赤いものは、赤ワインベースのソースを乾燥させたもの。鳩は旨みの濃い美味しさでしたが、バサバサしたソースの味のするものを一緒に口に入れるとボソボソしてしまい、鳩の旨みを舌で感じ取れなくなってしまいます。意外性が面白いかもしれないけど、ソースの方が食べやすいのでは?ごぼうもひげ状のものをスティックごぼうに巻き込んで焼いてあるけど、ひげ状のものがナイフで切り難く、食べるのに難儀しました。
鳩にはボルドー・コートドゥブールのドメーヌ・ドゥ・カンブでメルロー主体。タンニンがしっかりあるけど樽香とチョコレート香のするなかなか飲みやすいワイン。
肉料理は2皿といわれていたので、きっとこれが2皿目。鳩の砂肝と心臓のプチ串焼きと鳩で出汁を取った熱いスープ。熱いものをワイングラスのようなもので頂くのは初めて。さすがに割れにくい厚手のグラス。出汁がよく出たスープでした。
最後のワインは南フランスのGIGONDASジゴンダスのドメーヌブリュセ。グルナッシュ主体。濃い紫色のしっかりした味わい。鳩やごぼうには合いますね。
フルーツのデザート。パッションフルーツのミルクセーキみたいなムースをストローで頂く。種がバリバリ、美味しかったです。
チョコレートのデザート。アツアツのチョコレートのオムレツ。外側のチョコ皮をスプーンでカットすると中からアツアツのチョコレートソースがトロリ。コーヒー風味の泡がアクセント。
エスプレッソコーヒーにチェリーの飴ソース。チェリーの甘酸っぱさが食事の最後にお口をさっぱりさせてくれました。
これらのコース料理を食べた感想は、「料理って本当に難しいなぁ…」でした。
この日の客層は、我々以外20代~30代前半の若者ばかり。コース料理の金額も安いし、若い人たちの創作フレンチ入門編として良いかも。
奇をてらうのは悪くないけど、食事として舌に乗せたときの味わいや食感も大切。カンテサンスの岸田周三さんの師匠の師匠本家パリのアルページュ(パリ・ブルゴーニュ、そしてアンマン・死海(前編))も焼き加減の最高さは当たり前として、別々なできあがりのものを一緒に口に入れて噛みしめたときのマリアージュ(一皿づつとコース全体の調和)が大変面白く、食感も味わいも計算された完璧な美味しさ。。
あの舌に乗せたときの感動はなかなか経験できません。。
アルページュの流れも引いているレストランなのだから、見た目面白い!というよりも、深い味わいを出す旨い食べ物の話題で盛り上がりたい。見た目の面白さは一度見たらお終い。旨さは、何度でも味わいたくなるものです。
たまにしかいかないフレンチレストランはどうしても辛口になってしまいますね ^^;
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