2022/08/13

【Japan】阿弥陀ヶ滝と神宿る石徹白

 2022年8月11日は、久しぶりにお盆に帰省しました。
 まずは、母親の居る特養アルプスに立ち寄り、その後は弟家族と墓掃除と墓参り。昼飯に流しそうめんでも食べうようと、阿弥陀ヶ滝(動画)を訪ねました。落差60mの滝は壮観です。子供の頃、この滝の上流には岩魚がウヨウヨいるという噂があり、そこへ行く方法を知りたかった記憶が蘇ります。


この山は熊も多い

こんな沢でもイワナはいる

8月なのにガクアジサイ

  お盆なのでたくさんの観光客が滝を見学しています。滝からの帰り道にある流しそうめんに立ち寄ったのですが、待ち時間3時間、15分以内の食事ということなので、諦めました。


 弟家族と分かれ、桧峠にある満天の湯でランチをすることにしました。ここの温泉は、草津の湯と同じ効能で、皮膚の角質を軟化させて取り除いてくれるので、肌がツルツルになります。

 その後、宿泊地の石徹白村(いとしろ)に向かいます。

 石徹白は歴史ある古い村です。

 景行天皇12年(西暦83年)に御祭神の鎮座と記録があります。景行天皇は日本武尊(ヤマトタケル)の父親なので、その時代には村があったのです。その後、養老年中(717年から724年)に泰澄がこの地に3年滞在し、三大霊山のひとつ白山を開きました。

 また、石徹白は日本最先端の地方創生の村です。

 石徹白村はもともとは福井県大野郡に属していたましたが、地理的な利便性から岐阜県郡上市白鳥町に編入されました。冬には2メートル近くの雪が降る豪雪地帯で、1981年(昭和56年)の豪雪時には、積雪が515cmを記録しています。

 この石徹白村で、水力発電が4機稼働しており自給率は230%近く。電力会社への売電収入(年間2400万円の売電益)が入る仕組みになっています。これを実現するための旗振り役になったのは岐阜市出身の平野彰秀さんです。14年間東京で働いた後、2008年に岐阜にUターンし、2011年に石徹白村に移住した人です。2013年に自治会長が発起人会を作り、2014年に石徹白の住民で組合を設立。県や市の補助金に加え集落ほぼ全戸出資によって2015年に着工、2016年に『石徹白番場清流発電所』を稼働させました。

 売電収入で得られたお金は、維持管理費や減価償却費などを差し引いた数百万円が石徹白の地域おこしの費用となっています。現在は公共施設や街灯の電気代、用水の維持管理費に用いており、さらに今後は耕作放棄地を復活させて新たな就農を促すなどへの利用も予定しています。

※「らせん水車」と「上掛け水車」は、白山中居神社に至る道脇にあります。

らせん型水車2号機 800w

らせん型の羽

らせん型水車2号機取水口

上掛け水車 2.2kw

たぶん右が発電機

上掛け水車の電気を使う農産物加⼯品工場

給水路

ここで取水

 ユニークなのは「まずは小さなものをきちんと作ろう」、と大学との共同研究で2009年に「らせん水車」を、2011年に「上掛け水車」を作ったことです。発電電力量はそれぞれ家1軒と4軒分ですが、これにより石徹白の人たちが、水力発電の可能性に気がついたのです。その結果、野菜なども自給自足できるサステナブルな生き方を送ろうと、石徹白村には新しい移住者も増え、100世帯250名のうち15〜20%が移住者だといいます。この石徹白村の地方創生は、マイクロ水力発電によるエネルギーの自給自足の例として数多くのメディアでも取り上げられて有名です。

 石徹白村から桧峠を超えた前谷村、隣の干田野村、阿多岐村、六ノ里村など同じ白鳥町の中で、渓流と傾斜から水力発電ができそうな村がたくさんありますから、これからは白鳥町全体、郡上市全体にこの石徹白の仕組みをヨコテンしていけば、日本の未来にも貢献できることでしょう。

 このように、石徹白は古くて新しい村なのですが、さらに、神が宿る白山中居神社もあります。神社のある上在所を目指します。 

白鳥バスの終点です。

白山中居神社

白山登山経路図

入り口の大杉に圧倒される!

日本武尊のお父さんの時代から

最澄が開いた登山道

ここで神の存在を感じる

凄いパワースポットだ!

きれいな川に向かう

大日ヶ岳から流れる朝日添川

地元の子供たちの水泳場

いよいよ神社に上がる

何かを感じる!

久しぶりに大吉!

泰澄が整備する以前から祀られる岩


急な階段の上に天に近い祠

「鶉」の彫り物。理由が分からず。

祠の四方の大杉が天に突き出している

見上げると天空に大杉

 神社を拝観するのが好きな人は一度は訪れることをオススメします。現世的なご利益があるとか、天皇や英霊が祀られているとか、そんな神社ではなく、荘厳にて静寂、神宿る神社です。パワースポットと言われなくとも、歩いているだけで、神を感じてしまう。
 夕刻に訪れたので、静寂な山の中にヒグラシの鳴き声が響き、感動的な参拝になりました。


石徹白の全景

  今日の宿の「カルヴィラいとしろ」に到着です。20年ほど前からあったらしいのですが、宿泊するのははじめてです。手前がとうもろこし畑で、石徹白村の全景が見える高台にあります。

夕ご飯。地元料理です。

アマゴは焼いてから炊いてある。

朝ごはん

霧が晴れた石徹白全景

 朝から台風の影響で雨でしたが、石徹白のマイクロ水力発電を支える石徹白清流発電所(63kw)を目指して出発です。石徹白中居神社の上在所のバス停の右脇道に入ります。

発電施設

落差111mで発電

おそらくここが取水所



 もうひとつ、石徹白名物というと、とうもろこし。上村彦左衛門さんのとうもろこしを購入しました。注文したらその場でおじさんがバイクに乗って畑からとってくるので、まさに、Just in Timeの朝どれとうもろこし。石徹白は朝夕の寒暖差が激しいので、ものすごく甘い。


 石徹白を出て、各務ヶ原の親戚に立ち寄り、岐阜羽島駅に帰る途中岐阜市役所近くの更科に立ち寄り「冷やしたぬき」のタブルを食べました。麺は更科の白い蕎麦ではなく田舎蕎麦、麺露も甘辛い。カリカリの天かすとワサビを混ぜて食べると癖になるうまさなのです。99%の客がこれしか頼まないのも異常ですが…

 帰りの新幹線で静岡あたりはものすごい雨でした。帰るのが1日遅れたら台風の影響で帰れなかったかも。今回の帰省は、なんと言っても石徹白の発電施設と、神宿る神社を参拝できて良かったです。

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