2022/06/18

【Japan】独立峰白山と白山神社のあじさい祭り

  富山県、石川県、福井県、岐阜県の4県にまたがる白山(標高2,702m)という山があります。アルプス山脈のように山々が連なる連峰ではなく、白山は独立峰です。白山の太平洋側からの登山口が私の生まれ故郷(岐阜県郡上市白鳥町)で、白山信仰の美濃国側の中心になった神社として長滝白山神社(雪の白鳥と愛知工業大学システム工学研究会)があります。同じように、霊峰白山を祀る白山神社が東京の文京区にもあり、6月18日は「文京あじさいまつり」にナノツアーにでかけました。


 白山神社の入り口にあるJAZZ喫茶「映画館」。入ってみたかったのですが、準備中で残念。


 街なかの小さな神社なのに「あじさいまつり」が有名で、結構賑わっていました。



水の中の紫陽花は映えますね。
 


ユリも美しい。


大勢の参拝者を無視し、ただ眠るキジトラ。

境内の梅も実をつけています。

紫陽花に埋もれる拝殿。

屋台も出ています。

10時半からコンサートも開催予定。








こんな小さな紫陽花も発見。
白山公園から眺める東洋大学。

 白山は子供の頃から馴染みのある山で、父親たちと1回、子供会で1回、弟家族と1回(白山の雲海に浮かぶ素晴らしい朝日)の合計3回登りましたが、雄大な独立峰の頂上からの360°の展望は、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、富士山などが一望できます。そんな白山を祀る神社が文京区にあるのは少し驚きです。

2022/06/12

【Japan】伊能忠敬と佐原の街並み

  6月11日はマイクロツアーで千葉県の佐原を訪れてみました。5月下旬から6月中旬だけ運行する「特急あやめ祭り号」のおかげで、秋葉原から90分で佐原に到着します。

 チーバくんがお出迎え



 ウォーキング開始を開始し、まずは伊能忠敬像を目指しました。ご存知のように、彼は50歳を超えてから新しいことに挑戦した人物として有名です。
 


 佐原諏訪神社のホームページに領内鎮護の神として長野県諏訪大社より勧請とあるので、出雲大社の系列だと思います。
 

 佐原公園にある展望台からは水郷佐原が一望でき、遠くは利根川まで見通せます。




 次は忠敬橋を目指し街なかを歩くと、土蔵を使った床屋、酒蔵、日本最古の薬局など、古い商店が並びます。




 少し早めの昼ごはんは、有名な「長谷川」でうなぎ。佐原は利根川水系の水郷のため、小さい町の割に半径300mほどの中に有名なうなぎ屋が本店だけでも3件あり、うなぎを出す店となると、数え切れません。
 長谷川のうなぎは蒸しを入れないパリッとした焼きに、それほど甘くないタレのうなぎ蒲焼です。創業天店舗2年(1831年)の歴史の店ですが、店内には力道山の「努力」が掲げてありました。
 

 忠敬橋からの風景はまるで江戸です。埼玉県川越市の町並みも小江戸と呼ばれていますが、佐原は千葉の米や醤油を船で江戸に運び、江戸の商材を千葉に運ぶ流通の拠点だったため、川を中心にした街並みが江戸の活気まで想像させます。

通りの民家の玄関先で変わった紫陽花を発見



 伊能忠敬記念館を拝観しましたが、驚いたのは瀬戸内海にある500もの島の測量も行ったことです。



 伊能忠敬記念館の川を挟んで伊能忠敬の住居もあります。婿養子になった伊能忠敬は優秀なビジネスマンで、本業の酒造業に加え、お米を含む穀物の取引や店賃貸などの不動産業にも取り組み、江戸で薪炭問屋を経営したり金貸業も手がけたりして事業を拡大させた多角経営を行っていたようです。




 利根川に流れ込む小野川には「舟めぐり」があります。ゆったりとした流れの浅瀬を往来するので、観光気分が高まります。途中、荷揚げ場があり、江戸時代の街の賑わいが浮かんできます。荷揚げ場は100箇所を超え、病院も川沿いに4箇所ほどあったというので、船での物流は怪我や病気が多かったのでしょうか。

名物サツマイモチップ



 最後に佐原にある2件の酒蔵を見学し、味醂と地酒、どぶろくなどを買い込み佐原観光はお終い。


 佐原の江戸情緒のある街並みは日帰りで十分楽しめます。行きも帰りもチーバくんが駅で観光客を歓迎するほど、千葉では重要な観光地なのでしょうね。

2022/06/04

【Japan】蕨のワラビスタンと芝園団地


 日本のエスニック・セグリゲーションとして注目を集めている蕨市に行ってきました。まずは東口。こっちはクルド人の街です。

 駅から近いハッピーケバブ(埼玉県 川口市 芝新町 7-9 アドバンス 1F)がクルドの人が集まるたまり場とのことなので、そこを訪れてみました
 店内に日本人はほとんどいませんが、店長らしきクルドの人とお客だと思われるクルドの人が、日本人の相談に乗っていました。どうやらアパートのトラブルのようですが、クルドの人たちが日本人にアドバイスをしていたのが、実にこの街の状況を表していると思います。
 また、奥の方には中国人のカップルと、クルドの人らしい二人がくつろいでいました。


 ケバブを注文。久しぶりにケバブサンドらしいケバブを食べましたが、他のメニューはほとんどトルコ料理のメニューです。選んだ辛口のソースも実にケバブに合う。
 特にクルドの人たちがどこかに集団で住んでいるのではなく、このJR蕨駅の東口のどこかにみなさんが住み、クルド人の先祖代々続くお祭り「ネウロズ」(Newroz)になると、蕨市の市民公園に近隣の川口市や戸田市周辺から集まってお祝いをするようです。時期は3月のようなので、機会があったら一度訪れてみたいものです。

【ネウロズとは】ネウロズは抑圧からの解放と新しい春を祝う祭りとして本来は春分の日に開催される。アルファベットで『Newroz』と書き、『新しい日』を意味する。炎と独特の踊りで知られ、2600年以上前から中東の広い地域で祝われてきたという。
 クルド人はトルコやシリア、イラン、イラクに広がる山岳部に住む民族で、世界に約4,500万人いるとされる。だが、独立国を持てず、各国では少数民族として迫害を受けてきた。日本はトルコからの渡航にビザを必要としないことから、蕨・川口市周辺では30年ほど前からクルド人居住者が急増。同地域は通称『ワラビスタン』とも呼ばれ、迫害などによって住居や職を失った人々の避難先の1つとなった。」


 今度は西口に移り、芝園団地を目指すと、途中続々と中国語だけしか書いていない料理屋や、インドネシア人向けと思われるハラルショップがあります。(芝園団地は2018年6月時点で、約4500人いる住民のうち、約半数の約2300人が中国人、あるいは中国にルーツを持つ人々)

看板に日本語がない

アジア食材店

インドネシアのハラルショップ




 蕨市のお隣の川口市の外国人住民数は、約3万9千人で、市人口の約6.4%を占めています。法務省の「在留外国人統計2020年6月末」によると、川口市に住んでいる外国人の数は、東京都新宿区や江戸川区すらもおさえて、堂々の市区町村で1位。そこで次は、JRの川口駅に移動しました。



 駅から少し歩きますが、このカトリック川口教会では、第3日曜のミサはベトナム語で行っていることから、川口市全域のみならず、都内からも多くのベトナム人がやってきます。週末になれば教会の中に入りきらないほどの人が集まるそうです。今日も何かのイベントをやっていて、たくさんの人が集まっていました。(ベトナム出身の修道女マリア・レ・ティ・ランさん「ボートピープル」として国を逃れて来た)

 三大中華街や観光化していない池袋西口(北)のような商店を中心にしたエスニック・セグリゲーシィンだけでなく、このような特定の地域に住むところが集中するタイプのエスニック・セグリゲーションは、これから各地に増えてくるのでしょうが、こうしてたくましく日本に根付いていく姿を見ると、今後、日本は変化していくのだろうな、とひしひしと感じます。

 「互いの文化的差異を認め合う」ということは、自己の理解の拡大となり、さらに自己理解の拡大は、他者との意志の疎通をより向上させる、というH・G・ガダマーの「地平の融合」は、私たち日本人に必須な考え方になるのでしょうね。

【その他のエスニック・セグリゲーション】

 ①新大久保(中国、韓国)
 ②高田馬場(ミャンマー)
 ③十条、板橋、赤羽エリア(ネパール、ベトナム)
 ④蕨(クルド)
 ⑤川口(中国)
 ⑥新小岩(ネパール、ベトナム)
 ⑦西葛西(インド)
 ⑧蒲田(ネパール)
 ⑨八潮(パキスタン)
 ⑩日暮里(ベトナム、モンゴル、ミャンマー)
 ⑪竹ノ塚(フィリピン)