2021/10/26

【Japan】神楽坂のウルトラチョップ

  久しぶりの外食。Go To EATのポイントが残っているので、それが使える店ということで、神楽坂のラム肉専門のお店「ウルトラチョップ」に行ってきました。


 飯田橋から神楽坂を登りきったあたりにある店で、神楽坂らしい雰囲気の街路はなかなか情緒がありますね。
 西麻布は六本木に近い1丁目、新陳代謝の激しい4丁目、住宅街の3丁目、看板のない穴場の店が多い2丁目と、ある程度開拓をしたので、これからは東京のパリと呼ばれている神楽坂を開拓する予定です。


 グラスシャンパンはなく、並々注がれたスパークリングワインで乾杯!
 コロナのおかげですっかりご無沙汰していた外食は楽しいものです。ラム肉の店なので、焼き時間を考慮して、肉は先に注文します。ラムチョップは15分ぐらい、ラムラックは40分ぐらいとのこと。


 この店は、イタリアンの店なのかは分かりませんが、今のシェフはイタリアン、前のシェフは和食が専門だったそうです。写真はバーニャカウダ。新鮮な野菜は塩だけでも十分美味しいですが、バーニャカウダは野菜の旨さを引き立て、アンチョビの香りが食欲を引き出しますね。


 ラム肉がニュージランド産なので、ワインはニュージーランドのピノ・ノワール「マ・メゾン」。珍しくフルーティーでない、ブルゴーニュワインのようなピノ・ノワールでした。


 ラム肉のカルパッチョ。以前、代々木のアフリカ料理の店でも食べたことがありますが、西洋わさび、羊のチーズで食べるラム肉は肉本来の旨味が味わえて満足の1品でした。(ムール貝の白ワイン蒸しも頼んだのですが、写真を忘れました)


 まずは、1本1本のラムチョップを網で焼いたバージョン。柚子胡椒と塩コショウ味のものですが、いずれも焼き加減が最高です。



 ラムラック(ラム肉の塊)4本をオーブンで焼いたものです。ウェイターへのヒアリングによると、おそらく180℃で15分ぐらいオーブンで焼いて、寝かしたもののようです。(私が以前作ったとき、180℃で25分焼いて、そのままオーブンで10分ぐらい置いたらミディアムになってしまった)
 レアなラム肉とピノ・ノワールとのマリアージュは最高ですね。


 話しながらついついバケットを食べすぎたせいか、これでお腹一杯。〆のパスタなどは無理で、ニューヨークチーズケーキにボルドー・ソーテルヌ地区のデザートワインで〆ました。デザートワインはピンきりありますが、なかなか美味しかった。


 自宅近くのワインバーに立ち寄りましたが、マスターがつけていたバッジがソムリエバッチでなかったので、尋ねてみたら「テキーラソムリエ」のバッチだとのこと。ワインバーなのに、なぜテキーラのソムリエなんだという疑問も湧きましたが、まぁ、どうでも良いので、グラッパを飲みました。


 夜の護国寺をお参りして、今日のディナーはお終いです。



 上2枚は出かける前、下は帰ったところ。もう寒いから丸まっていますね。
 ただいま!


2021/09/10

【Japan】都内源泉掛け流し温泉「さやの湯」へのナノツアー

  8月3日に2回めのワクチンを打ちましたが、相変わらずコロナの変異株(デルタ株)は強力で、ブレークスルー感染も報告も多々あります。東京の第5波の感染ピークは少し収まったようですが、9月12日までの緊急事態宣言は30日まで延長になってしまいました。

 今日は久しぶりに有給を取り、午前中に、都内では珍しい源泉掛け流しの「さやの湯」へ行ってきました。東池袋から荒川線のトランで新庚申塚(西巣鴨)までのチンチン電車の旅です。

 三田線に乗り換え志村坂上駅で降りて、「さやの湯」に向かいます。

 途中、大きな池のある見次公園を通り抜けます。へらぶな釣りのメッカのようで、たくさんの釣り人が糸を垂れていました。

 いよいよ「さやの湯」に到着です。
 すでに3回目ですが、源泉のお湯が強塩で、ここは死海に似ているのです。

 死海は塩分が30%もありますから、身体も石も岩もアスファルトも浮きますが、にがりの主成分である塩化マグネシウムも多く含まれ、ミネラルたっぷりなので、死海に浮かんだその日はぐっすりと熟睡でき、翌日は爽快です。そこで、死海の塩を25kg単位で購入し、自宅の風呂でも活用していますが、たまには塩分濃度の濃い広い温泉を楽しみたいと今日のナノツアーに至ったのです。




 「さやの湯」は館内の庭園がなかなか凝っています。
 温泉の後は座敷から庭を見ながら、蕎麦を食べました。


 古民家風の作りと風鈴、さらに鈴虫が鳴いて、秋を感じさせます。


 つがいの鈴虫が売っていました。暗くしてあげると鳴くと思いますが、我が家は猫どもが興味を持ちそうなので、買わずに帰りました。

 ほんの半日、混んでない平日午前中を狙ってのナノツアーでしたが、いい息抜きになりました。緊急事態宣言が解除するまでは、しばらく自宅に籠もる日々が続きます。

2021/06/30

【Japan】護国寺の住宅街にあるビストロ「Don」

 6月20日に緊急事態宣言が解除されたので、昨日近所のビストロに食事に行きました。

 ビストロというと気軽なフレンチというイメージですが、やはりフランス料理は敷居が高く、頻繁に訪れることはありません。一番よく通ったのは乃木坂のピエール(乃木坂 のビストロ、シェ・ピエールが閉店)ですが、オーナーのピエールさんが引退しブルターニューに帰ってしまったので、閉店になってしまいました。以来、行きつけのビストロはなく、数年前に南青山4丁目のフロリレージュ(南青山4丁目のフロリレージュ)、そして横浜の「俺のフレンチ」で食べたぐらいの記憶しかありません。

 もちろん、ランチでたまに食べることはありますが、ディナーにワインを飲みながら食べるフレンス料理は文京区に引っ越してきてからはじめてで、訪問したビストロは「Don」です。

 護国寺から歩いて数分なのですが、文京区の住宅街にある目立たないお店で、近所の人たちが家族連れやお持ち帰りで利用している感じの良いお店です。以下のように、コロナ禍で好立地で大きなフレンチ料理店の閉鎖は続いていますが(理由はコロナだけではないでしょうが...)、ここは家族経営のお店です。

 護国寺から江戸川橋、そして神楽坂にはいくつかのフレンス料理店がありますが、まだまだ開拓中です。

 さて、スペインのCavaとともに前菜の5点盛りと宮城産牡蠣のラタトゥーユ焼きを頼みました。



 マスターからシャンパングラスに透明の飲み物を「これ何だと思いますか?」とサービスされました。

 ひと口飲んでみたらトマトです。以前に南青山のランベリーでこれをシャーベットにしてオリーブオイルをかけた料理を味わったことがあります。

 感動の味とは単においしいとかでなく、もう絶対に自分の手では作ることができない未知の味。あまりのおいしさに感動のあまりうなづくしかない味を指します。カンテサンスでは山羊乳のババロア。これには海水が掛けてあり、オリーブオイルとの組み合わせが絶品。ほんとうに生きてて良かったという味です。ランベリーではトマトのシャーベットがカンテサンスのババロアに匹敵します。たくさんのトマトを絞るのですが、力を加えない、つまり重力だけで絞ると、赤いトマトの身でなく、透明の水分だけが絞られます。これをシャーベットにして、エクストラバージンオイルを掛けて食べるのです。もう感動の味。言葉にならないおいしさです。 閉店した南青山のランベリー

 メインの前に頼んだブルゴーニュワイン。ボジョレー地区に近いドメーヌなのでしょうか、チャーミナー味わいのブルゴーニュワインでした。



骨付き子羊ローストは絶妙の焼き加減。

 仏産鴨ムネ肉ローストのオレンジソース。フランス料理ではオレンジなどのジャムをソースに使う料理はありますが、鴨にオレンジは合いますね。

 「茨木産ダチョウのタルタル」が気になっていますが、この段階でお腹がいっぱい。次回にダチョウがあれば注文してみたと思います。チーズはなかったので、デザートを頼みました。

 フランス料理の気軽なディナーはたまには良いものです。
 日本食とか、中華、イタリアンは自分でも作れる料理が多いですが、フランス料理は手がかかるので外食できる場所が近くにあるのはありがたく、家族連れや持ち帰りで賑わっていました。

 コロナ疲れもたまには休息が必要ですね。


2021/06/17

【Japan】美濃国郡上 東氏、遠藤氏、そして竹中半兵衛

 6月14日、15日と有給をとり田舎の母親を訪ねました。コロナが蔓延する前の2020年の1月1日(「何もできなかった50代と長良川鉄道」)以来なので1年半ぶりです。コロナ禍で移動が難しかったこともありますが、母親の特養施設は全員が2度めのワクチン接種も終わり、コロナの蔓延する東京からの訪問者も受け入れてくれました。

 到着してすぐに3年ぶりの墓掃除と墓参り、その後、特養施設を訪れましたが、ガラス越しでの通話ができる電話のようなものでの会話は、ただでさえ聞き取りにくい母親の話がさらに聞き取りにくかったのですが、やはり対面で合うと感情も伝わってくるので、オンライン面談とは違います。
 次回の訪問は正月を予定しています。

    * * * *

 今回の帰省では、美濃国(みのくに)郡上の歴史について、新しい発見がありました。
 私の生まれ故郷の郡上市は飛騨と越前の境に位置した美濃国に属します。郡上が日本の歴史に登場するのは鎌倉時代からで、最初に郡上を支配したのは、関東武士である千葉氏の一族である東氏です。東氏は鎌倉幕府3代将軍の源実朝の近習で、藤原定家流派の和歌を学び文武両道を極めた武将で、承久の乱(後鳥羽上皇が鎌倉幕府の北条義時に対した兵を挙げて敗れた兵乱)で手柄を立て、山田庄(現在の郡上市大和町)を加領されました。

 こんな田舎の土地をもらっても仕方ないのではないかと思いますが、京都からは岐阜経由のルートと越前経由のルートがあり、当時は人流が交わる地域だったのかも知れません。

 東氏は和歌を詠むために、山田庄(郡上市大和町)の篠脇城の入り口に大きな庭園を造りました。地形を利用した簡素な庭ですが、今までその存在も知らず、今回はじめて訪れたのです。


 庭園の入り口の橋から撮った栗巣川(まるで庭園の一部)。

篠脇山(山城)と一体になった庭園。中心に池がある。

池に流れ込む庭園の小川。

庭園から眺める栗巣川のきれいな水。

 古今伝授の里フィールドミュージアムなどもあり、和歌などに興味のある人は、自然の中でゆっくりと和歌を詠むことができる場所ではないでしょうか。
 また郷土資料の図書館があったので入館してみたら、私が高校3年のときに書いた短編「越佐山」が掲載されている「郡上 第七冊 ’77/’78/’79」という郷土文化誌があり、43年ぶりの発見に驚きです。

 その日は、東氏の庭園のすぐ近くできたマリオットホテル(フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜郡上)に宿をとりました。
 マリオットというと、世界的なホテルチェーンで、私もBonvoy会員として海外旅行で泊まるイメージしか持ち合わせていなかったのですが、日本国内の道の駅に併設した「Fairfield」というサブブランドのホテルを運営しているようです。まさかまさかマリオットホテルが郡上にできるとは思いもよりませんでしたが、隣のやまと温泉やすらぎ館のお湯も良く、ゆっくりすることができました。

 翌朝は、まずは「モーニングコーヒー」ということで国道156号線沿いの喫茶店に立ち寄りました。コーヒーとトースト、サラダ、ゆで卵にスイカのセットで400円。愛知や岐阜ならではの風習ですが、昭和の雰囲気満載の喫茶店で久しぶりにコーヒーを飲みました、というより朝食を食べました(笑)

 大和町から八幡町に移動し、八幡城も訪れました。11代目の東氏が、前述の山田庄(郡上市大和町)から拠点を郡上市八幡町に移し、東氏の300年にもおよぶ長い統治から遠藤氏(戦国時代)、稲葉氏(戦国時代)、井上氏(江戸時代)、金森氏(宝暦の郡上一揆で罷免)、青山氏(江戸時代)と城主が変遷しました。

 赤谷山城の戦いで東氏から遠藤氏に城主が移り、遠藤氏は織田信長に服従しました。ちなみに、高知の山内一豊の妻「千代」は初代遠藤盛数の娘です。


八幡城の入り口に至るもみじの道。秋は綺麗でしょうね。


八幡の町並み(西側)


東京青山の江戸屋敷の木を切ったら現れたという「日本一」の文字。


八幡の町並み(東側)

 この八幡城は司馬遼太郎が「日本で最も美しい山城」(街道をゆく)と表したように、こじんまりした山城にも関わらず、自然の景色と溶け込んでいて、何度訪れても四季折々の美しさが楽しめます。


八幡町の宗祇水。


宗祇水の横を流れる小駄良川。なんて綺麗な水だろう。

 郡上八幡を離れ、美濃国の武将である竹中半兵衛の生まれ故郷(垂井町)に向かいます。


竹中氏の菩提所「禅幢寺(ぜんどうじ)」。


竹中半兵衛の墓。


ここには竹中氏代々の墓がある。

竹中半兵衛の居城跡で石垣と堀が残っている。


竹中半兵衛の像(マスク中)。


五明稲荷神社

 織田信長が殺害を命じた黒田官兵衛の長男である松寿丸(黒田長政)を竹中半兵衛が匿った五明稲荷神社。半兵衛の死後、黒田官兵衛が荒木村重の有岡城から開放された後に、信長の疑いが晴れ、松寿丸は開放されました。
 そのときに植えたイチョウの木は大きく育ちましたが、枯れたため切られてしまいました。しかし、写真にあるように根から新しく枝が生まれています。


西軍から東軍に寝返った小早川秀秋の陣地。

 ついでに、垂井の隣にある「関ヶ原ウォーランド」に行ってみました。関ヶ原の合戦が古びた人形で再現されています。


田んぼの真ん中にある決戦地。
(岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原1202)

 今回は、母親を訪ねるだけでなく、美濃国の歴史を鎌倉時代の東氏から戦国時代の遠藤氏、そして西濃垂井の竹中半兵衛を巡ってみました。私の場合、戦国時代なら竹中半兵衛、幕末なら小栗上野介が好きな人物なのですが、彼らの「生きざま」は、清々しく無欲で親近感が湧きます。


ただいま!